大阪の住民投票に思うこと
こんにちは。シンカ代表の手島です。
大阪の住民投票が終わりました。
当事者として詳しく勉強を積んだわけではありませんし、ある一面しか取り上げていない意見であることは承知なのですが、没落する未来を変える術がなくとも変わることを拒み今のままで良い…という判断が出てしまったことにとても落胆しています。
日経新聞の今朝の朝刊にあったいくつかの記事を抜粋します。
社会面にはこんな見出し
「大阪市なくしたくない」 有権者の声
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反対票を投じた中央区の男性(81)は「80年住み続けた大阪市をなくしてほしくない。都構想で新庁舎を建設するなどしたら、かえってお金がかかる」と話す。
橋下氏を支持しているが反対を選んだのは天王寺区の無職の女性(72)。「無駄と切り捨てられる公的サービスに病院なども含まれている。必要なサービスまで簡単に削られそう」との不安がぬぐえなかったという。
他方、平野区の男性会社員(32)は、市の第三セクター破綻などを例に挙げて「ずっと大阪の失敗を見続けてきた。現状を変えてほしい」と賛成に一票を入れた。
これがいまの日本の民主主義なのかな、と思いました。
いまの痛みを我慢できずに、将来ほぼ確実に訪れる危機に対してでも後回しにする。特に高齢の方々はそうですよね。未来のことは2番目で、いまの自分に大事なことで判断する。若い世代の自業自得なのでしょうか。
これじゃあ子育てしやすい世の中に、そして子どもが増える世の中にはならないと悲しくなりました。将来のための施策って誰がどこで頑張れば良いのでしょう。
反対という立場をとり、「勝利会見」を開いた与党の方々、今回の問題としてあがっている点について今後どう対処して行くのか、とくと見させてもらいます…という感じです。
最後に識者の見方という欄にあったお二方のコメントの一部を引用します。
増田寛也・東大大学院客員教授
大阪都構想の推進派が十分なメリットを市民に説明できなかった結果だと思うが、二重行政の解消という課題は残ったままだ。国政を含めて、政界全体が不安定になる可能性もあり「勝者なき戦い」との感が強い。
有馬晋作・宮崎公立大教授(行政学)
橋下氏の登場以降、大阪では多くの問題点があぶり出され、行政や地方政治への市民の視線はより厳しくなったはずだ。住民投票で反対の立場に立った政党や議員も、改革を進める姿勢を示さなければしっぺ返しを受けることになるだろう。