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「ファッションの育児」からの脱却
こんにちは。シンカ代表の手島です。
昨日までの中学受験のエントリは日経DUALのサイトから取り上げましたが、いつも楽しい小島さんのコラムも気になる話題でした。
小島慶子 そこのパパ、女と同じ轍を踏まないで!
「見られる育児」の窮屈な世界に、男性たちが新しい風を吹き込んでほしい
小気味よい“小島節”を楽しめました。以下、引用ばかりになってしまいますがご容赦ください。
美容室で、ある男性誌を読んでいて、心の中で叫んでしまった。
「いけない! それは女が歩みきた茨の道…どれだけしんどいかわかってんのか? 戻れ! 今すぐ!」
「イクメン」がかっこいいともてはやされていますからね。「オレいけてるよね」ってなりますよね。
すごくリアリティ溢れる描写で読んでて笑みがこぼれました。
すんごくわかります。この気持ち。背伸びして小綺麗にしている必要なんてないですよね。
なるほどなと思いました。ある意味、最初は「孤高になる」ということですよね。男性が。
私はこの10年近く、子どもたちのお弁当を作っていますが、キャラ弁なんかは作ったことありません。キレイに飾ったこともありません。いちおう私なりに主菜副菜のバランスと色使いだけは気にしてみてはいますが、見栄えなんて…。Facebookでつながっている昔の友人(高校時代のクラスメートの女性)などは奇麗なキャラ弁の写真が上がってたりしますけれど、その頑張りが見ててこっちが辛く感じてしまったりします。
でもそれを「男性だから(やらなくていい)」「女性だから(やって当然)」で片付けてたら変わらないですよね。男性の頑張りでみんなが「みられる育児」から解放されるのか?とても興味深いです。
日経ビジネス誌も「子宝企業」特集
こんにちは。シンカ代表の手島です。
日経ビジネス誌の表紙が「日本を救う子宝企業」という特集タイトルになっていました。こんなところにまで少子化が影響力をもってきたということでしょうか。
中ほどの特集記事に、漫画家の弘兼憲史さんとサイボウズの青野社長の対談があるということで、購入して読んでみました。
詳しくは記事をご覧いただきたいのですが、印象に残ったことは
まさにその通りです。
“イクメンでなければ人でない”みたいになってしまっては本末転倒で、それぞれの置かれている状況、ライフステージごとに何に重きを置いて過ごすか、自分の成長を求めるのか、ということだと思います。
子どもを産まなければだめ、イクメンしなければだめ、先日のこのBlogでも取り上げたコラムにあるように「母親は子どもつきっきりでかわいがらなきゃだめ」のように、すべてがゼロorALLで画一的に押し付ける世の中になるのは避けたいです。
“多様性”っていう言葉は使いやすいですが、実践、実現はすごく大変だなと改めて思います。
「本音ではずっと仕事をしていたい」青野社長記事の後編
こんにちは。シンカ代表の手島です。
昨日もとりあげた青野社長の続編です。記事としては、連載の前半部分ですが紹介させてください。
サイボウズのイクメン社長は本当に育児してるのか?
IT社長は激務。イクメンもまた激務。その両方を本当に青野慶久社長はこなしているのか…真相に迫る(上)
青野 ずっと仕事をしていたいんですよ、本当は。ずっと葛藤ですよ。 でも、子育てして気づいたのは、日本は子育てをサボってきたから、高齢化社会になっちゃったし、若い人の意見も通らないし、ずっとおじさんがのさばっているんだ、ということです。かといって、おじさんがすごく元気かというとそういうわけでもない。子どもを育てるという文化を無くしつつあるので、活気が無くなっていくし、市場も小さくなっている。
だから、僕が本当に仕事で死にたいと思うんだったら、まずは少なくとも子育てする社会にしないと、仕事ができる環境すら無くなってしまう。
育児は「市場創造」。お金の虫みたいで嫌ですけど、子どもがいなくなれば市場は無くなるわけです。商売人たるもの、まず育児をしなさい。育児する社会にしてこそ、初めて自分達の商売の基盤ができるわけで、だからこそ育児というのは手を抜いてはいけない仕事なんだということに、自分自身が育児に向き合うことで気づいたのです。
本当は仕事が大好きで、仕事をしたいんだけど、ずーっと仕事をするために、今は家族のことも頑張るというスタンス、そしてそれを実践していることは素晴らしいです。とても共感できます。
少し長い記事ですが、興味の在る方はぜひ全編に目を通してみてください。こういった人がTOPにいる会社がある。そうして(ある範囲では)有名になっている。一昔前では考えられなかったことも起きています。
「育休とると出世する」?
こんにちは。シンカ代表の手島です。
日経DUALにあった記事からのトピックスです。
この社長のファンになってしまいそうです。
青野慶久「育休取ると出世するから若い人は取りな」
青野慶久サイボウズ社長(下) 経営の視点と、夫婦の家事分担はほぼ同じ。「君の強みは何?」が基本
タイトルだけを見て、ちょっと違うんじゃないかと勝手に想像して記事を読みましたが、真意が分かったら超ナットク!しました。
子どもが大好きで、欲しくてたまらないご夫婦でも身体がそれを許さないこともあります。そういった人の出世が閉ざされる、そういった身体的な理由で出世ができないのはおかしいとは思います。でも真意は違いました。
タイトルだけでは嫌悪感がありましたが、まったく逆でした。こういったTOPはがんばってほしいです。周りも頑張れるはずです。ただ、「がんばって当たり前!」的な同質化は避けて欲しいと欲張りな願いです。
青野さんは頑張るのが当たり前!とは言ってない。多様性、そのときどきの働き方…を認めたいというのが大前提。本質を見失わずに、今後のサイボウズ社を引っ張っていって欲しいと願います。
ニュース:イクメンが語る「必要なのはお金より覚悟」
こんにちは。シンカ代表の手島です。
衆議院議員選挙が終わりました。
対立軸がわからない争点の結果、まったく盛り上がらないのに自民党圧勝という結果でした。
東京と大阪の“大都市”は投票率4割を割っています。これだけ無関心では変わるものも変わらないのではないでしょうか。
そんな思いの週のはじめですが、今日の話題は先週の日経新聞にあったこんな記事です。
イクメンが語る「必要なのはお金より覚悟」
2014/12/12 7:00
有料会員限定の記事ですが、内容を知っていただきたいので引用を多用します。全体が長くなりますが容赦ください。
Bさん(コンサルティング会社勤務)「第1子、第2子のときにとった育休は1~2カ月でしたが、今年5月に生まれた第3子のときには8カ月取得しました。給付金の増額が長く育休をとる後押しになったのは間違いありません。育休期間中は社会保険料が免除されることもあって、僕の場合、半年間については手取りの8割くらいの収入、つまり2割くらいの収入減で済みました」
Eさん(人材開発会社勤務)「育休期間の収入の減少は、家計にほとんど響かなかったというのが実感です。私は3カ月休みましたが、その間は外食費や交通費、交際費などが極端に減るので、それが収入減を埋めあわせる格好になります」
Aさん(大手IT企業勤務)「給付金が67%に増額されたメリットを最大限使うには夫婦で半年ずつ取得するのがいいと思います。ただ、問題として、給付金が出るまでの時間差があります。給付金は2カ月単位で、申請から受け取るまでに2カ月かかる。つまり、育休に入ってから数カ月は収入がなくなり、経済的に厳しくなるのです。貯金がないと難しいと思います。給付金の申請から受給までを短縮してほしいです」
Cさん(大手マスコミ勤務)「育休はボーナスに響くことがあり、注意が必要です。私の会社の場合、年1回の支給で『年間6カ月以上の出勤』が要件。6カ月以上休むと、復帰してもボーナスが1円も出ないので、希望より育休の取得期間を短くしました」
収入というのはやはり大きな要素だとは思います。
育てるにはどうしても収入を気にしなければなりません。パートナー(配偶者)の収入もあてにしながら蓄えと将来とのバランスを取る必要があると思います。
それにしても、最後のCさんのボーナスのことは、実感としてわかりますけど、辛いですね。制度そのものが育休を否定していると言わざるを得ません。こういった「旧態」が残ってしまっているのが問題であり、改善に向かうことを切に願います。
Eさん「ひとえに第1子の時の反省と後悔です。第1子のときは保育園の送りくらいであとは妻まかせ。妻の育休中はまだよかったのですが、生後8カ月で復帰してから半年ほどは常に家庭の中が修羅場でした。子どもが病弱で熱をしょっちゅう出し、そのたびに休むのは妻。不満をぶつけられ、しかし自分も忙しいので言い返す。こんな状態が続いたある日、事態を改善するには、自分が変わるしかないと気がついたのです」
Bさん「第1子、第2子の子育てが一段落して派遣で働いていた妻がそこで認められ、直接雇用の契約社員になってすぐ第3子の妊娠がわかりました。ただ、雇用されて1年未満だったので社内規定で育休をとる権利がありません。働きたい妻に仕事をあきらめさせることほど非生産的なことはない。復帰後の立場も保証される正社員の自分がとるのが一番いいということで8カ月の長い育休を取りました。子持ち女性の就職は厳しく、まして3人もいれば、再就職はしばらく絶望的です」
結局は男性が「腹をくくる」ということですが、そんな大げさでなくなることがはやく訪れないでしょうか。
Dさん(出版関連会社勤務)「会社では男性の育休取得は私が初めてでした。半年以上前から育休を取ると周囲に宣言し、上司には『男性が育休を取れば採用活動で売りになる』とアピールするなどしました。管理職で仕事の引き継ぎがしやすかったこともあって、周囲から理解を得られたと思います。会社には新しい価値観を受け入れる風土があり『やりたい』ということを止めない上司が多い。経営陣も法令順守の意識が強いので、当然の権利である育休をとりたいと言われて反対はできなかったと思います」
Eさん「私も会社では初めての男性育休で、かなり早くから行動しました。経験者の話を聞こうとネットで検索して会いに行くなどしました。業務の引き継ぎや取得スケジュールなどをまとめてプレゼン資料を作成し、説得しました。もっとも、実際はすんなり受け入れてもらえたのですが。『悪しき前例』になって後輩に迷惑をかけたくなかったのです。自分が取ったことでハードルが下がり、最近、後輩が育休に入りました。育休をとってよかったと思っています」
ぜひ今の世の中の風向きと言うか、イクメンの萌芽を逃さないで欲しいです。
いくつかの条件に恵まれている人にはぜひチャレンジしてもらいたいですね。
Bさん「僕は子どもたちが大きくなるまでは貯蓄を殖やす時期ではないと割り切りました。妻が仕事を続けていれば後でいくらでもためられる。その態勢作りの時期だと考えています。家族を運営する上で、夫の育休取得は、期間中の収入減を裏返して言えば、月収の2~3割を費やす投資と同じです。効果は妻のモチベーション向上と、ダブルインカムの維持。自分の家事・育児スキルが上がり、妻に万一のことがあっても大丈夫という危機管理的な効果もあります」
Aさん「子育てに深くコミットすることで諦めたこともあります。まず家の購入。多額のローンを抱えると、返済のためには残業などもしなくてはという気持ちが働きかねない。なのでいまは家の購入を諦め、生活設計のめどがついてからと決めました。キャリアロスで今後の出世や賃金上昇はあまり期待できなくなりました。車も持たないと決めました」
ちょっと大げさな言い方な気がしますが…。Aさんの「子育てにコミット」なんてコミットなんて言う言葉も伝わらない人が多いのではないでしょうか。
言葉は固いので好きになれませんが、Bさんの主張はほぼ同意です。
一時的な収入源や辛さはあるかもしれませんが、長い目で見て自分たち夫婦のため、自分のためということは間違いないと思ってます。
Bさん「経済的な支援制度はもういらないと個人的には思います。男性の育休が広まらないのは結局『周りに迷惑がかかる』『上司に言いづらい』などの考えが、男性自身の心の壁となっているからです。こうした雰囲気が変わらなければ、いくら収入を手当てしても意味がない。思い切って育休を義務化してもいいと思います」
Aさん「イクメンと呼ばれる人は家庭での評価軸を基準にしています。当然、家庭での評価は上がりますが、会社での評価は下がってしまいがちです。これを何とかしなければ。まわりが出世していく中、ジレンマがないといえばウソになります。家での評価が上がることだけをモチベーションに働くのは簡単ではありません」
Aさん、ここでも難しいことを言っています。
会社の評価が何なんだ!?と思えないと確かに辛いです。多くの男性にここを打破していただきたい。
この記事のまとめがその通りだと思いました。
5人のイクメンは勤め先などもバラバラですが、2つの共通点がありました。1つは老後まで見据えた長期の人生プランを持つ点。もう1つは「会社が変わらないなら自分が変えよう」という気持ちです。彼らが投じた小さな波紋はいずれ大きなうねりとなり、社会を変えてくれるでしょう。
社会が変わるほどの動きになるのを受動的に期待するだけでは子育て期は過ぎてしまうでしょう。
会社がとか周りが…って言ってたらいつまでたっても変わりません。
これから育児を向かえる男性には、2つのことを自分のこととして思えて、少しでも可能性があれるのであれば、ぜひチャレンジして欲しいと願っています。
選挙にかこつけて、政治に関連した今日のまとめとするならば、「すべての女性が輝く社会」などを言う前に、じゃあ男性は輝いているのか?も考えるべきだと思っています。
Aさんのように会社の評価を気にして、育児を顧みないでがんばっても結局リストラされる…など会社に振り回されるかもしれません。それなのに、ホワイトカラーエクゼンプションのように、残業代を払わなくて良いよにして“社畜”を合法化するような動きがあったりします。本当にみんながハッピーになる世の中を政治が示してくれているのか?は個人的にはまったく希望を見いだせていません。
女性がということではなく、みんなが将来のために、そしていまの子どもたちが大人になったときに希望を持って過ごせるように。
冒頭に投票率のことも書きましたが、政治に期待しないのなら、それぞれが身近なことから、ちょっとしたチャレンジから行動に移さないと、どうなってしまうか、とても心配です。
イクメンは理想の男性像ではない!?
こんにちは。シンカ代表の手島です。
今日は久しぶりに日経DUALの記事からです。
イクメンを理想の男性像にしてはいけない
「男性学」の田中俊之さんに、共働き夫が抱える問題について聞く
前後編の記事の後編です。
前編を読んでいないので、的外れになってしまうかもしれないのですが。
ただでさえ日本の男性は、週50時間以上働いている人の割合が38%を超えています。これは先進国では突出した数字です。男性にも育児に目を向けてもらおうとする動きは歓迎しますが、「長時間労働の見直しが行われずに、男に育児も家事もしてください」というのは無理があります。
まず男性の働き方の見直しが先にあって、そのうえで「イクメン」という言葉が広まればいいんですが……。
この部分はとても賛成です。働き方が従来の「モーレツ」型ではイクメンも両立しないのは当然と思います。
でも後半の次の下りは少し違和感を持ちました。
日本の女性の働き方は「M字型就業」と呼ばれています。出産・子育て期に仕事をいったん離れるため労働市場を退出し(その時期の女性の労働力率が下がる)、子育てが一段落してから仕事に戻る(また労働力率が上がる)というスタイルです。つまり、女性の労働力率はM字カーブを描くわけですね。
ですが、日本の男性の場合、働き始めたら定年までずっと働き続けます。男性の労働力率はへこまずに台形になるんです。全力で仕事して、さらにそれ以外の時間は家庭や地域でパパとして頑張って……。これでは疲れてしまいます。
男性が一度仕事を離れてから再度就職する…ということについては異論ありません。
ただ、女性はM字カーブの底で立ち止まっているのか!?ということです。
それこそ、命のリスクを取って子どもを産むという一大事をしているのであって、決して立ち止まっているのではないと思います。
パパ・ママとしてずっと気を張っているとつぶれてしまうので、それぞれ1人でゆっくりできる時間を作りましょうは大いに賛成ですが、M字カーブの底の部分で、産休の女性に向かって立ち止まってる…は言えないな、と思いました。
男性の育児参加が普通になるために必要なこと
こんにちは。シンカ代表の手島です。
今朝の新聞に、この2日間のエントリに関連したニュースがありました。
日経新聞の東京版です。
男性の育児参加 支援 都が検討 研修・家庭科教育など [有料会員限定]
東京都は22日、子育て支援政策の拡充に向けて、舛添要一知事らと有識者との意見交換会を開いた。知事は「職場での男性の育児研修や、(学校の)家庭科での子育て教育を増やす必要がある」と述べた。
学校での教育で「子供を持つとどんなことがあるのか?」を教えたところで、どのくらいの生徒が真剣に聞き、ちゃんと自分のことを考えるのかはとても疑問です。実際なノウハウの勉強というのであれば、実際に自分が当事者になってからのほうが身につくのだと思います。
この場合だと母子手帳の持つタイミング=妊娠が分かり、出産準備が始まる…てしょうか。
でもこれでも遅いとも言えるかもしれません。「そんな大変なら子供を授かるなんてしなかった!」って人がいたりして。思いたくないですが。
また記事中には
舛添知事は男性が積極的に育児へ参加できるよう、ワークライフバランスの重視も強調した。
とありました。
母親の孤独な子育てだったり、父親が育児の仕方がわからないといったような問題については、広く言われているように大家族形態、地域コミュニティが無くなってしまったのも大きな要因の1つであるはずです。
冒頭のような学校教育や職場での取り組みもですが、ワークライフバランスという言葉でくくるだけではなく、長時間勤務、父親遅く帰るのが普通だという世の中を変えていけることができれば、自然と近隣・地域社会とのつながりができ、子供との接し方、子育て特有の難関ポイントとその乗り越え方についても、見聞きする、相談する機会が増えて個々人の知見が深まっていくのではと思います。
何はともあれ、取り組みが進むことは素晴らしいことです。
私も興味をもって成り行きを見守っていきたいです。
イクメン第2章(つづき)
こんにちは。シンカ代表の手島です
昨日のエントリの続きです。
同じ記事中に父子手帳と言う言葉がありました。恥ずかしながら初めて知りました。
目立つ父子手帳の配布・改訂
自治体が任意で製作、配布する父子手帳も変わり始めている。一般的には妊娠中の体のしくみ、産後の手続きや地域の支援制度などを簡潔にまとめたマニュアルの色合いが強かった。今のキーワードは「子育てのリアル」だ。
「夫の『育児を手伝う』という言葉は、妻にすれば当事者意識が乏しいと感じる。育児の全体像をイメージして、互いに何ができるかを話し合う材料にしてほしい」。冊子製作に協力した子育てパパ団体「さいパパ」代表の紅谷弘二さん(45)は語る。2児の父の実感として「週末イベント気分で育児をするパパはイクメンではなくイタメン(痛い男)」と笑う。
今年6月に改訂した兵庫県西宮市の父子手帳には「お母さんと赤ちゃんの24時間」という見開きページがある。産後直後の妻が朝から深夜まで、授乳やおむつ交換、散歩、家事にいかに時間を取られているかを昼間は家にいない夫に想像してもらう内容だ。市の子育て総合センターは「妻は夫に『頑張ってるんだな』と共感してほしい。相互理解があってこそ育児を担える」という思いを込めた。
週末にイベント感覚で手伝うのは「イタい」だけ…と辛辣ですが概ね賛成ではあります。
昨日のBlogに引用しましたがイクメンの元祖団体であるファザーリングジャパンも「新しいパパの教科書」という冊子を作っているそうで、昔は近所・親戚というコミュニティが果たしていた伝承機能の補完がはじまっていると感じました。
私も自分で読んでみて、経験と照らし合わせてみたいなと思いました。機会があったら取寄せてみます。
イクメン第2章
こんにちは。シンカ代表の手島です。
少し古い記事ですが、日経新聞Webのこんな記事を読みました。
「イクメン第2章」始まる 妻のよき理解者となれ
父親学級・父子手帳に変化の兆し 2014/8/20 6:30[有料会員限定]
「イクメン」が新語・流行語大賞の一つに選ばれたのは2010年。育児や家事を手伝う父親はじわり増えて、周囲の理解も着実に深まってきた。一方で「イクメンはかっこいい」というイメージや、家事をどれだけ手伝えるかという面が強調されすぎていた感もある。大切なのはパートナーとしての妻を深く理解し、よき家庭人になること――。そんな「イクメン第2章」とも言うべき考え方が、じわり広がり始めている。
私も“手放しで”イクメン礼参という時期は脱したのかなという思いはあります。
記事からの引用が多くなりますが、以下思うところを。
8月9日、育児・家事サービスを手がけるアイナロハ(埼玉県所沢市)の渡辺大地さん(33)は、松田母子クリニック(同)で父親学級を開いた。出産を控えた3組の夫婦が参加して、2時間の講義に熱心に耳を傾けた。父親学級の定番であるおしめの替え方やお風呂の入れ方には触れない。特に強調したのが「産後の父親の役割は家事代行ではない。妻の体調や気持ちを常に考える、最高の理解者であれ」という点だ。
「妻が夫にお願いしたい家事は何か、赤ちゃんの様子を見ながらではできない家事は何かを想像することが大事。そのためには2人が話し合う時間を持つことが重要」と説く。
。自称イクメンだったが、妻に「第1子が産まれた後のあなたは本当に役に立たなかった」と言われてハッとした。今では「本当のイクメンとは単なる子ども好きとは違う。子育ては大変なことも多いと理解したうえで、妻と密に協力して良き家庭を築いていく男」という信念を胸に、家事のテクニック論ではない父親学級を続ける考えだ。
おっしゃる通りなのですが、“夫婦共に作り上げていくものだ”のような壮大なストーリーが前面に出てしまうと尻込みする人たちも少なからずいると思いました。肩肘張るものではないと受け取ってもらえるといいのですが。
NPO法人ファザーリング・ジャパンが昨年10月に出版した「新しいパパの教科書」では、子育ての基礎知識の前に夫婦のパートナーシップの重要性を説く構成にした。「仕事が多忙で家事ができない、育児休暇が取れない男性も多い。それならどんなやり方があるか、十人十色のやり方を共に考えることが大切」と訴える。
全国の父親団体に所属する男性を対象にしたFJの調査によると、92%が「イクメンと呼ばれたことがある」と回答。そのうちの28%は「イクメンと呼ばれるのは嫌い」で「好き」(23%)を上回った。父親の育児が特別なこととして注目されたイクメンブームだが、当たり前の日常になるにつれて、その意味は自然と変わっていくのだろう。
それぞれ家族のパートナーシップ、子育てに対する価値観・スタンスがあると思うので、何でもマニュアルで画一的にならないのが育児です。まずは赤ちゃんはどういうものか、赤ちゃんを育てるとはどういうものかを知る事からなのでしょう。
私もそうですが、男性として子どもとどう接するかをまったく学ばずに大人になった世代の”イクメン”がどう形づくられていくか興味深いです。
父親の育児・家事は特別なものなのか?
こんにちは。シンカ代表の手島です。
日経DUALのコラムに金子達仁さんというサッカージャーナリストの人のエッセイがありました。父として「オレは特別なことしてる」プライドがあるようです。
金子達仁 保育園で会う父親同士が話をしない理由
イクメンの称号を自分だけのものにしておきたい。そんな本音がチラリとのぞく瞬間
要約すると…
世界の辺境にいったときに日本人と会うと「オレしかいないはずなのに」とちょっと悔しい思いが勝ち、同朋と会ったという仲間意識が持てない。という例え話でイクメンとして幼児教室の付き添いなどをしている自分が出先で他の父親に会うとなかなかフレンドリーになれない。その理由を分析する
というお話しでした。
個人的にはほとんど賛同できない内容でした。
最後の奥様(元テレビ東京のアナウンサーの方ですね。ご夫婦なのを初めて知りました)のコメントが的を得ています。
(前略)
だんなさまはイクメンですか?」と聞かれたら、「イクメンですよ。色々やってくれます」と答える。一般論としてはイクメンという呼び方も受け入れるし、増えるに越したことはないと思っている。客観的に見たら、うちのだんなさまもイクメンの部類に入るだろうとも思う。
でも、イクメンの当事者たちが、夫の言うように「ちょっと大変で特別なことをしている」と思っているとすると、世の中の奥様方にとっては、「ありがたいんだけど、めんどくさいなぁ」という存在になっているような気がする。
だって、特別なことをしていると思っている、イコール俺ってエライ、イコール褒めてもらってしかるべき、となるのが目に見えてしまうから。奥様たちもありがたいと思ってるのは確かだろう。ただ、あまりにも「イクメン風」を吹かされると、「当たり前のことなんですけど」とぼそっとつぶやきたくもなる。「だったら、私もほめてもらってもいいんじゃない?」とも。
(後略)
私も毎日保育園の送り迎えや、土日が揃って休みではない妻の仕事の関係で土曜日の音楽教室の付き添いはほとんど全て私が行いました。上の子の幼児クラスから下の子までなので、6年くらい通ったでしょうか。
笑い話ネタとして「音楽教室のお友達のご家族は”父子家庭”だと思っているはず」というくらい私が対応しました。
そのときに金子さんのように「オレってすごい」という思いをしていることはあまりなかったです。むしろ所在無さげだったり、肩身が狭いかなと思ったことは数あれど。
イクメンと言う言葉もなく、かなり珍しいことをしているという気持ちはありました。でも他のご家族の父娘の関係を見て、「私とウチの娘の関係はぜったいに強固になるはず」という自負だけでがんばってました。